耐震改修について、建築に関わる者としてお願いです。

名古屋大学大学院 環境学研究科 都市環境学専攻建築学系 環境・安全マネジメント 教授 福和伸夫教授 http://www.sharaku.nuac.nagoya-u.ac.jp/~fukuwa/index.html の講演を聞き大変な衝撃を覚えました。

ウェブマスター自身、耐震補強に関して訪問販売業者の実態を見るにつけ、あまりにいい加減な工事で高額な工事を行う業者もあり、積極的に耐震改修の必要性は訴えて来ませんでした。

(人の危機感をあおって工事をお勧めするのはいかがなものかと・・・)

しかし福和教授の講演を聴き、教授が危機感をもって訴えられている事実は建築に関わるものとしてお伝えしておかなくてはならないと思いホームページに乗せることにしました。

(詳しくは上記ホームページでご確認ください)
(この講演は愛知県住宅建築センター主催でh17年1月26日ライフポートとよはしにて開催されました。)

政府地震調査委員会によると、
今後30年の地震発生確立は東海地震が84%、東南海地震が58%

その被害ボリュームを阪神・淡路大震災と比較すると下記の表となる。

 

表1 南海トラフでの地震による被害規模

  東海地震 東南海+南海地震 東海+東南海+南海地震 兵庫県南部地震
全壊家屋(棟) 460 千 629 千 940 千 105 千
死者(人) 9,200 17,800  24,700 6,400
経済被害(円) 26~37 兆 38~57 兆 53~81 兆 10 兆

 

おおざっぱに言えば、東海・東南海・南海の3 地震の被害を合算すると、兵庫県南部地震による被害に比べ、最悪、死者は4~5 倍、建物被害と経済被害は10 倍となる。ちなみに、我が国の平成16 年度の歳出予算は82.1 兆円、税収は41.7 兆円、一般歳出は47.6 兆円である。私たちは、我が国税収の2 年分の被害を今世紀前半に覚悟する必要がある。

東海地震に対しては地震防災対策強化地域が、東南海・南海地震に対しては東南海・南海地震防災対策推進地域が指定されている。強化地域と推進地域は、東京以西の西日本に広がり、そこには、大凡千万の人が居住し、千万軒の家屋が存在する。我が国の国民の三分の一が被災する巨大災害に対して、陸上自衛隊、常備消防の人数は何れも約15万人、人的な不足は明らかである。

新幹線が脱線衝突し、家屋の倒壊が起きた場合、地域の救急車の台数を考えてもその状況は想像ぐらいできると思う。

よって今後おこるであろう震災に備えておくことが重要、ひいては耐震補強を積極的に推進をし、地震によって被害を最小限にする必要があると言われています。

ウェブマスターの自宅は耐震診断の結果、安全の評価は出ていますが、それでも万一に備えて地震保険にでも入っておこうかという考えがあまりに軽率だということに気づきました。

国民の三分の一が被災するのであれば建設資材、労務費の高騰、そもそも大工さんに数がまったく足りないことなどなど。

そもそも現在の建築基準法が震度6弱までを想定していること。
つまり震度6強の揺れに襲われた時を建築基準法では想定してしないからです。

何で? と突込みが聞こえそうな気がしますが・・・。

それは、何百年に一度起きるか起きないかの地震に対してそこまでの基準を作ることは経済的に不合理があるからです。日本の木造住宅は30年弱で建て替えられている事実から考えても納得できます。

冒頭に書いたようにウェブマスターは、人を不安に落として・・ということは好きではありません、しかし聞いてしまった以上建築に関わるものとしてお伝えしておく責任があると思いページにしました。

今後震災が起きないこと願いつつ、こうした啓発を行っている研究者がいることを知ってもらえたら幸いです。

平成17年1月28日